【ワンムーブ】ストリートダンスで変わる世界 ストリートダンスの情報館『ONE MOVE』‐ストリートダンスでみられる急な怪我とその対応-木田実

ストリートダンスでみられる急な怪我とその対応

ストリートダンスでみられる急な怪我とその対応

みなさん、こんにちは!

木田実です。

さて、前回までしばらく
女性ダンサーがメインのお話が続きましたが、今回は
ショーやバトル直前、または
その最中の“急な怪我”についてです。

ここ一番を迎えたその矢先に、
あってはならない怪我が起きたりします。

そういった時、
ストリートダンサーの皆さんはどう思われるでしょうか?

もちろん、
できるならばやりたいに決まっていますよね。

急性の怪我の場合、
病院などに行くと止められることが普通でしょう。

スポーツドクターなど
理解のある医師なら最善の処置をして、
また今後のリスクもしっかり説明した上で、
本人の気持ちを最優先させます。

それでも、よほど悪い状態であれば、
絶対に止めることもあり得ます。

私たち、スポーツなどをサポートする医療従事者は、
いつもその判断をせまられます。

非常に厳しい状況ですが、
私の場合は治療家の立場から言うべきことは言い、
それでいながらダンサーや
アスリートと横にならんだ目線で話す様にしています。

彼らが目指す勝利や、
意地でも参加するという、
同じ方向を見ながら考えていきたいのです。
 
 
つい先日、休みを利用していつものように
ブレイキンのバトルイベントの
救急サポートをしてまいりました。
 
 
その時に、

「これはちょっとやっかいだな・・・」

と思う怪我をしたB-BOYをケアさせてもらい、
その後3度のバトルを勝ち上がり、結果は準優勝。

治療家としては止めたい気持ち、
自分も競技者であったことから応援したい気持ち。

決勝まで頑張ってくれてうれしかったですが、
とても複雑な気持ちでした。
 
 
以前に女子高の発表会当日の朝に脚が痛み、
立つこともできないという状態の
女子ダンサーを診たこともありました。

※詳細は私の治療院ブログをご覧下さい。
⇒ http://ameblo.jp/kid-a1005/entry-11373568391.html
 
 
その詳細の前に、私がかつて
シュートボクシングという格闘技をしていた頃に、
まったく同様の経験がありますので、
ちょっと紹介させて下さい。

出場予定の
アマチュア・シュートボクシング全国大会の3日前のこと、
それまでジムで調子良く練習していたのに、急に腰がグキッ!!

急な強い痛みで息が吸いにくい気さえしました。

当時は携帯も無い時代でしたので、
帰りの電話ボックスで電話帳を開き、
できるだけ近くの治療院を探しました。

そしてとある整体院に行き、
3日後に試合を控えていることを伝えました。

整体師の先生は、
今から試合直前まで絶対安静ということと、
試合前日まで続けて通うように言われました。

そして、最初の治療でなんとか
普通に歩いて帰ることができました。

それから言われたとおりに、
整体院に通う以外は家で寝たきり、
3回の治療を受け、
前日には小さいジャンプくらいできる状態になっていました。
 
 
そして迎えた全国大会。

実は昨年度の全国大会の10日前に
あばら骨を折るという怪我で出場できず、
プロデビューするために
このチャンスを1年間待っていたのです。
 
 
絶対に逃したくないチャンス。
 
 
これを逃せば、また1年待つのか・・・
今回だけはなんとしてでも出場するという
強い想いがありました。

当日まで激しく動いていませんでしたので
不安はありましたが、
やる気や気合いはいつもの何倍もあったのでしょう。
 
 
結果、重量級のトーナメントで優勝。

プロデビューの道が約束されました。

この経験から2つのことを学びました。

どんな状況でも、
やり方次第、自分の心のあり方次第では
いい結果が出せるということ。

そして、いい結果が出た、
それはすべて結果論であること。
 
 
絶対あきらめないと言う気持ちが一番大事です。

自分が自分を信じないでいれば、いい結果は絶対に出ません。
 
 
しかし、その裏には
 
 
“いい結果が出る可能性は高まるが、
 悪い結果が出る可能性がゼロになる訳ではない”

と言うことです。
 
 
これは治療家になって、より強く感じます。

怪我と闘いながら挑むアスリートたちの中には、
試合で敗北するだけでなく、怪我が悪化して
そのまま現役引退しなければならない人もいるのです。

それでもアスリートたちは挑みます。
 
 
私は事実を伝え、
それでいて本人の最終判断に委ねるという
方向性をとっています。

人生の価値観、
こればかりは他人が越えられない個人の聖域と言えるでしょう。
 
 
さて、冒頭のブレイクバトルでの話ですが、
あるB-BOYがお尻を押さえながら倒れこんでいるのです。

訳を聞くと、バトルの最中に脚を振り回した際、
左のお尻に激痛が走り、歩くのもままならないとのこと。
 
 
「まだあるの?」

と聞くと、

「あと3回ですね(決勝まで)・・・」
 
 
私は状態を確認し、
痛みのある個所の動きをサポートするための
テーピングをしっかりと施し、
痛めた部分から離れた部分でも
そこと関連する筋肉が硬くなっていたので、
少しでも患部の動きを邪魔しないようにとそこをほぐしました。
 
 
考えようによっては、
それでは患部が余計に動かしてしまって
悪化させるんではないか・・・
 
 
また、どうせ動くという場合、
動きにくい固まった状態で、無理に動かそうとしたら、
余計に患部に力がかかってしまい、
悪化させるのではないか・・・

一瞬のうちでしたが、私は悩みました。

そして前者の選択をし、
患部と関連する筋肉の硬い部分をほぐしました。

案の定、歩くのは楽になったとのこと。
 
 
その後、バトルを勝ち進み、
合間にテーピングを補強したり、
患部の負担を少しでも減らせる様に、
患部と離れた脚の筋肉をほぐしたりしました。

結果、準優勝でしたが、すべて終わった後に、
これからこの怪我について予想される悪化と、
その対処などを話しました。
 
 
人が混み合っているバトル会場では、
最後まで伝えるために必死で探すこともありますが、
今回のB-BOYは背が高いので探しやすくてよかったです!
 
 
今回の記事では、結局何を申し上げたいかと言いますと、

怪我した時、
一緒に並んだ目線で対処してくれる医師、
治療家を探しておくこと。

怪我しても参加したいのなら、
医師などに聞いてその後のリスクをきちんと把握しておくこと。

そして、参加できなかったとしても、
自分の気持ちだけは責めてはいけないこと。
 
結果がどうあれ、前向きな気持ちが一番大事であること。
 
 
どんな状況であっても、
前向きに工夫を続ければ、必ず前に進みます!

前向きに考えても、思い通りの結果になるとは限りませんが、
壁を乗り越えたその先には、
必ず自分だけの世界が築かれているはずです!!

さて、次回はしばらく続いた女性ダンサーシリーズで、
さんざん話題にした

“股関節のストレッチ”

について詳しくお話ししたいと思います。
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